無傷じゃないけど、下は向かない「アイドル、やめました。 AKB48のセカンドキャリア 」

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。

「弱いことをちゃんと『弱い』と言い、苦しいことを『苦しい』と言えるのは、実は強い人かもしれない」 鷲田清一さんが折々のことばで言っていたように、 強い人には自分を支える強い芯があるような気がします。

番組づくりを通じて接してきたのは、自分の事が語れる人たちでした。目的に対する明快な動機を持ち、挫折を味わい、その苦しみを語れる人たちでした。強さと弱さの両面をさらけ出せる人との出会いを通じ、本当に強い人はヒーローやヒロインではなく、日常生活を坦々と生きている人であることがわかりました。

その人の実像が見えにくい存在があります。アイドルと言われている人たちも存在が見えにくい人たちのひとりです。

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アイドル、やめました。 AKB48のセカンドキャリア

アイドル、やめました。 AKB48のセカンドキャリア

AKB48グループを卒業しセカンドキャリアに挑む元アイドルたちを、
自らもSDN48から会社員を経てライターとなった大木亜希子が追跡取材するノンフィクション企画。
10代から20代にかけて一般社会を離れアイドルとして生きてきた彼女たちが、卒業後に歩み始めた“第二の人生”。
「元アイドル」という肩書きが残った彼女たちは今どこでどのような人生を歩んでいるのか。
現役時代の葛藤、転機、そして現在までの喜怒哀楽に踏み込みます。

著者の大木 亜希子さんは14歳の時女優デビュー。アイドルグループ SDN48のメンバーとして活動。卒業後も就職した勤め先でクリエィティブとして活躍したいわば陽の当たる道を走り続けてきた人です。

誰もがうらやむような生活も、一皮むけばストレスとの闘いが待っていました。

アイドルとしてはセンターを取れなかったが、「一般職で才能が開花し、『キラキラOL』になっちゃった!」というシンデレラストーリーを、早急に他者へ見せつけたかったのだと思う。

29歳、人生に詰んだ元アイドルは「赤の他人のおっさん」と住む選択をした|大木亜希子 | Dybe!

ハイスペックな男性との遍歴。激太り。突然足が動かなくなる体の変調。大木さんが訪ねた先は心療内科でした。

そこで大木さんは「あ、人生が詰んだって、こういうことを言うんだ」と感じたと言います。

私はここまで自分のことが語れるようになった大木さんの姿勢に共感します。本書では大木さんの目線で、アイドルを卒業した女性たちのその後が語られます。

他人からの視線からの解放

大木さんはその後他者との不思議な関係を取り戻し、快復の道を歩み始めます。そして悟ったのが無理をしないことでした。

「他人からの視線」という呪縛から解放された

29歳、人生に詰んだ元アイドルは「赤の他人のおっさん」と住む選択をした|大木亜希子 | Dybe!

彼女がたどり着いた結論は、自分をありのままに受け入れようという姿勢でした。

「読んだら安心した。誰もが無傷じゃない。それでも誰も下を向いていない」燃え殻(作家)

週刊エコノミスト

2019.06.25.号が紹介した話題の本

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  • 日本の水産資源管理:漁業衰退の真因と復活への道を探る
  • バブル経済事件の深層
  • 牙: アフリカゾウの「密猟組織」を追って

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