子ども記者の厳しい視点がクセになる「はい! こちら子ども記者相談室デス! 」

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。

番組作りは取材が基本。分からないことがあったら人に会って直接自分の目で見て確かめないと、自分の思いを伝えることはできません。大人でもなかなかたてへんなこの仕事。子どもがチャレンジしているという事をこの本で知りました。

Contents

はい! こちら子ども記者相談室デス! 

かめおか子ども新聞 著(新潮社)

京都府亀岡市で「かめおか子ども新聞」という地域新聞があります。

取材にあたるのは地域に住む子どもたち。子どもたちが足で稼いだ記事に取材を受けた大人たちも大感激。大きな輪が広がっています。

人気の秘密は「子どもが書いて大人が読む」を編集方針の柱にしていること。素朴な質問は時にどきりとするような鋭い指摘になって、大人たちをどきどきさせています。

中でも人気を読んでいるのが「子ども記者相談室」。大人から寄せられた質問に、子ども記者が集まって座談会形式で回答を考えるコーナーでは暮らしや人生相談だけでなく政治や時事問題まで子どもたちの関心は広がります。

息子にクソババアと言われた

「辛辣だけど的確」と巷で話題! 大人の悩みに子ども記者がビシッと答えます。「結婚ができるか心配」「息子にクソババアと言われた」「死ぬのが怖い」「若者が会社を辞める」。悩めるすべての大人たちに、ストレートすぎる回答が突き刺さる! 京都・亀岡発、子どもが書いて大人が読む月刊紙「かめおか子ども新聞」の、大人気コーナーが書籍化。

たとえばクソババア。「中一の息子にクソババアと言われてショックです」という相談に対して、こどもたちは「間違いなく、だって本当にクソババアだからです」と答えたと言います。

だってほんまにクソババアやん。ああせい、こうせいうるさい言うやんか。学校で「人にされて嫌なことはしないように」って言われる。こどもは我慢しているのに、大人は我慢しない。クソガキがあるんだから、クソババアくらい言う。

週刊東洋経済2019.07.27 124

こう切り替えされるとグウの音もでませんね。子どもの視線は大人ばかりではありません。

「インスタグラムが好きすぎてふと不安になる」という女性に対しては・・・。

リア充でもないのにリア充ぶって、みんなに「すごい!」と言われるためだけの、しょーもないものに振り回されてると、人生損しますよ。女の子が顔写真をすごい加工したりするけど、加工するくらいやったら、自分はかわいくないという現実を認めたら?まあ、個人の自由やし、どうぞお好きに。

子ども新聞はなぜ生まれたか

編集長によると、立ち上げのきっかけは「知らない人に声をかけられたら逃げるように」という全国紙に投稿された記事がきっかけだったのだそうです。

子どもたちは、学校の敷地以外は怖いところだし、人は疑うものという常識がすり込まれている。これにはすごく違和感を感じたといいます。

すべての原点は人を知ること。取材を通して、初対面の人にあいさつをし、質問をし、話を引き出し、いろんな人がいることを知る。変なおばちゃん、危ないおっちゃん、人を見抜く目や自己防衛能力を身につける経験をさせたいと思ったんです。

大人になって分かった気持ちになっているけど、本当は何も分かっていなかったんだと気付く一冊です。

厳しい視点が人気「子ども新聞」 子ども記者の取材に密着 : 京都新聞

週刊東洋経済

2019.06.01号で紹介された本です。

  • 貿易戦争の政治経済学:資本主義を再構築する
  • 江藤淳は甦える
  • 最高裁に告ぐ
  • 図書館巡礼:「限りなき知の館」への招待

江藤淳は甦える

評論家・故江藤淳の生涯を元編集者が描いた本。「敗戦から3年後、15歳の夏、浪漫派の代表的詩人、伊東静雄の詩との出会いが文学的出発点の重要なカギだ」と評者の会田弘継が聞き逃されがちな通奏低音と指摘しています。

最高裁に告ぐ

表現の自由のあり方をめぐり裁判官が裁判所によって裁かれる。その渦中に立つ著者が問いかける司法制度の問題点とは。市民がうかがい知ることができない高い壁の中で何が起きているのか。疑問に答える一冊。アマゾンベストセラー1位(司法)

図書館巡礼:「限りなき知の館」への招待

何百もの図書館を訪れた豪州の作家であり古書卸商の著者が綴るこぼれ話の数々。

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