花火が消える前にその手を放して「 一ノ瀬ユウナが浮いている 」

劇場版アニメーション「サマーゴースト」を観たら合わせて読みたい作品が乙一さんの「一ノ瀬ユウナが浮いている」です。
サマーゴーストに登場する女性の幽霊の名前は佐藤絢音なので、最初は戸惑うかもしれませんが、ともに泣けます。

と書きながら、私の心に浮かんだのは脚本家岡田麿里さんでした。
2011年に公開されたアニメ作品「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」
一人の少女の死をきっかけに心を閉ざしてしまった少年少女たちの再生の物語。
深夜のテレビで初見した時、自分の中に隠れていたもう一人の自分と対面した気持ちになりました。
それから10年。
同じような設定ではありますが、この作品でさらにもう一人の自分に出会えたような気がします。

言葉にしないと伝わらない。
悔いを残さないように、思いは言葉にすべきなのだと。

幼馴染みの一ノ瀬ユウナが、宙に浮いている。
十七歳の時、水難事故で死んだはずのユウナは、当時の姿のまま、俺の目の前にいる。
不思議なことだが、ユウナのお気に入りの線香花火を灯すと、俺にしか見えない彼女が姿を現すのだ。
ユウナに会うため、伝えていない気持ちを抱えながら俺は何度も線香花火に火をつける。
しかし、彼女を呼び出すことができる線香花火は、だんだんと減っていく――。