「スリープウォーカー」

アクの強いエンタメミステリ。海外モノは、字数が多いので、長く夜、じっくり楽しみたい人におすすめです。

スリープウォーカー マンチェスター市警 エイダン・ウェイツ

十数年前、夢うつつのまま一家を惨殺したと目される男〈夢遊病犯(スリープウォーカー)〉が、癌で余命宣告され病院に収容された。相棒サティと共に警護を命じられたエイダンだったが、男は何者かの襲撃を受けて眼前で死亡。サティも重傷を負う。現場には怪しげなジャンキーの女の姿が。なぜ死にかけている男がわざわざ殺されたのか?真相を追うエイダンにまたしても〝警察の闇〟が襲いかかり、同時に彼を憎む凶悪な犯罪者に命を狙われることに。その魔の手は、やがて長く離ればなれだった妹にまで向けられていく――。人物造型、謎解き、人間ドラマと、すべてに秀でた警察ノワール完成型の誕生。

  • アウトローヒーロー・警察の保身と隠蔽・麻薬組織との因縁…ダークでザラザラとしたノワールで一気読み。
  • ノワールなのに警察小説、かつ本格ミステリー。
  • ウィックが死の直前に否定した事件の真犯人は誰なのか?謎が多いなかでもストーリー展開がスピーディーで、かなりのページ数だが飽きさせない。
  • とある女性にずっといじめられるエイダン、周りからもガンガンやられてマゾ小説みたいな状態、でもなんかかっこいいとすら感じてしまう筆力、お見事です。
  • 解説に「名探偵みなを集めてさてと言い」という句が紹介されていた。
  • 八方塞がりの状況で逃げ出すわけにもいかず、結局巻き込まれていたのは組織の権力争いという、いかにもノワールな作。
  • 本作では12年前の一家惨殺事件の真犯人探しと、賞金首となってしまった刑事ウェイツ自身の生き残り戦が並行して描かれる。
  • 「堕落刑事」だった主人公よりもはるかに堕落してる人がたくさん出てきて失笑。事件のカラクリは予測がつくけども、それを取り巻く駆け引きや証拠固めは読み応え抜群。